形成外科とういう診療科は、地域のかかりつけ診療所の中で標榜する医院も少なく、内科や胃腸科などと違って聞き慣れない方も多いようです。また、形成外科と聞くと美容治療などのイメージを最初にお持ちの方もいらっしゃるようです。しかし実際は、それだけが診療範囲ではありません。形成外科は、日常生活で起こるケガの処置から傷あと治療など、乳幼児・小児からご高齢の方までの診療を行う、全ての皆様に身近な診療科となります。
形成外科は、身体に生じた組織の異常や変形、欠損、あるいは整容的な不満足に対して、あらゆる手法や特殊な技術を駆使し、機能のみならず形態的にもより正常に、より美しくすることによって、みなさまの生活の質 “Quality of Life” の向上に貢献する、外科系の専門領域です(引用:日本形成外科学会)。
具体的に取り扱う疾患・治療は、切り傷の縫合、やけどや巻き爪の処置、皮膚のできものやばね指などの治療を行い、さらに傷あとがきれいに治る為の最善の処置・指導などを対応いたします。形成外科専門医は、さまざまな疾患についての専門的な知識と診療技術を持ち、適切な診療を行い、必要に応じて他の領域の専門医と連携して治療を進めていきます。
体の表面(浅い部分)のケガやキズなどは、すべて形成外科の治療分野となってきます。また、子どもも大人も診察します。体の表面のことで気になる症状や、ご心配なことがございましたら、お気軽にご相談ください。
美容上の理由で手術を受ける場合は、保険外の診療となりますが、病気やケガ(外傷・やけどなど)による障害を治療する場合には健康保険も適用となります。相談のみも受け付けております。気になる症状について、一人で悩んだり、自己判断で民間療法やサプリメント等を試してみる前に、ぜひ形成外科医へ一度ご相談いただき、正しい情報をもとに対処法を選択いただければ幸いです。
当院では、外科・形成外科として、傷の手当て、切り傷の縫合、やけどや巻き爪の処置、皮膚のできものやばね指などの治療を行い、さらに傷あとがきれいに治る為の最善の処置・指導を行います。また、床ずれ(褥瘡)や糖尿病性足潰瘍など難治性の傷の処置も行っております。
次のようなお悩みご相談ください
- 手術・ケガの傷あとをなるべくキレイにしたい
- 傷あとが、かゆいし、痛いし、突っ張るなぁ…
- 救急病院で縫ってもらったけど、もう少しキレイにしたい
- 子どもがケガをした、どうしたら良いか相談したい
- 巻き爪・ 陥入爪を治したい
- ほくろ・いぼ・できものが気になっている
当院では、外科・形成外科専門医による診療を行っております。症状や疾患に応じて、専門の検査や治療ができる医師・医療機関をご紹介できる体制も整えております。どうぞ安心してご相談ください。
ケガをしたとき、キズをきれいに治すためには、はじめの治療(初期治療)がとても大切となります。切創(切りキズ)、擦過傷(すりキズ)、 裂挫創(皮膚が裂けたキズ)、刺創(刺しキズ)、咬傷(咬みキズ)など、ケガをした場合は、速やかに形成外科への受診をおすすめします。
子どものケガ
子どもの場合には、思わぬところでケガをすることがあり、「病院へ行くべきか」「何科へ行くべきか」など迷われることもあると思います。迷いながら不安をを抱えているのではなく、些細なケガでもお気軽に受診いただきたいと思います。
子供の擦り傷や、顔・頭部をぶつけた切り傷、やけどなどの日常生活で起こるケガや、その後の傷あとが目立って気になるなどの治療を行っております。傷の管理や経過などでもご不安なことがありましたらお気軽にご相談ください。安心して日常生活を過ごせるように、応急処置や手当のアドバイス等も致しております。
ケガの診療は、乳幼児(赤ちゃん)のお子様から診察を行っております。診察の結果、必要な場合には、専門の医師や医療機関をご紹介させていただきます。
ケガや手術後の傷あと、ケロイドの治療などを対応いたします。治療だけでなく、治療前のご相談やアドバイスだけも対応可能です。
傷あとのイメージ
「手術跡をキレイにしたい」「傷あとが、キレイになるか相談したい」「傷あとが、かゆい・痛い・突っ張る…」「救急病院で縫ってもらったけど、もう少しキレイにしたい」などといったお悩み、お気軽にご相談ください。
改善が期待できる主な症状
傷が汚くて目立つ、赤く盛り上がっている、傷が突っ張る、腰が伸びない、痒い、痛い などの症状
治療法
症状に応じて治療法をご提案いたします。次の治療はすべて保険診療となります。
- 圧迫・保護・軟膏療法
- ステロイド(テープ・注射)治療
- 手術(放射線)治療
巻き爪・陥入爪は悪化すると、痛みや腫れが発症したりします。放置すると、日常生活にも支障をきたしますので、早めの改善をおすすめします。
巻き爪イメージ
巻き爪とは
爪の端が内側に爪が巻き込んだ状態をいいます。痛みにより、姿勢や歩き方が悪くなり、膝や腰痛の原因になります。
陥入爪とは
巻き爪や爪の側面が足趾の皮膚に食い込んでいる状態です。炎症を伴い痛みや腫れを引き起こします。肉芽から出血する場合もあります。
治療法
当院では、主にクリップ法、部分抜爪+フェノール法 を行っております。進行の度合い(軽症~重症)に応じてご提案いたします。また、自宅でのケア方法のアドバイスなども行っております。
クリップ法(矯正クリップによる治療)
自費診療となります。爪先端に引っ掛ける矯正クリップを使って、変形した爪を矯正していきます。外科手術は行いません。
部分抜爪+フェノール法 (爪の幅を狭める治療)
保険診療となります。この治療では、麻酔をして治療を行います。爪の横側を縦方向に切除し、フェノールで爪の根元を焼くと爪が生えなくなります。爪の幅が狭くなり、皮膚にあたらなくなります。
治療に伴う注意など
いずれの治療法も、爪が改善されるまでは期間がかかります。治療期間は変形の度合いや、爪の固さなどによる異なります。また、巻き爪、陥入爪にはさまざまな原因がありますので、原因を取り除かないと治療後、再発する可能性もございます。
皆様が安心して治療を受けられるように、診察の際には、担当医より治療のメリット、リスクについてもお一人おひとりにあわせて丁寧に説明いたします。お困りの症状や治療法、治療期間や料金、自宅でのケア等についても、どうぞ安心してご相談ください。
当院では、形成外科専門医 による切除・縫合により、確実な治療を目立ちにくいキズあとで行います。体のほくろ、いぼ、できものでお悩みの方、安心してご相談にいらしてください。もちろん、まずはご相談や検査のみも受け付けております。
図:体の「できもの」参考イメージ
主な症例
ほくろ(母斑、メラニン色素の増殖)
多くの場合は良性ですが、稀に悪性のものも存在します。大きくなってきた場合や気になる場合には切除により病理診断がお勧めです。小さいうちに切除をお勧めします。
いぼ (尋常性疣贅、老人性疣贅)
いわゆる「いぼ」は全身どこにでもできる皮膚腫瘍です。次第に大きくなります。小さいうちに切除をお勧めします。
稗粒腫(ひりゅうしゅ・はいりゅうしゅ)
毛穴に詰まった古い角質等が原因となり、目の周りや顔にできる白く小さいプチプチです。体質や加齢により増える場合もありますが、生活習慣などの改善で予防もできます。
粉瘤(ふんりゅう、アテローム)
皮膚の一部が皮膚の内側に入り込み袋状になったもので、内容物は悪臭のあるカス(皮膚のあか)です。感染(化膿)すると赤く腫れて膿がでます。小さいうちに切除をお勧めします。
脂肪腫(しぼうしゅ、柔らかい脂肪のかたまり)
全身の皮膚の下には脂肪があります。その脂肪が大きくなった良性の柔らかいできものです。 10cm を超えると悪性の可能性があります。小さいうちに切除をお勧めします。
検査・治療方法について
上記でご説明したような症例(皮膚にできた「できもの」)は飲み薬や塗り薬では治せません。原則的には外科的切除が勧められます。稀に悪性の皮膚腫瘍もあります。病理検査もおすすめしております。また「できもの」の状態によっては専門病院をご紹介いたします。気になる症状がある方、どうぞご相談ください。
※当院ではレーザー治療は行っておりません。
治療費・治療時間など
治療時間は20分程度となります。施術時間自体は5分程度からとなります。 保険適用(3割負担で)約1〜2万円(病理検査込み)となります。
切除治療に伴うリスクや副作用
- 治療中は局所麻酔をしているので痛みはありません。術後、麻酔が切れると痛みが出ますが1~2日程度で落ち着きます。
- 治療後は1週間後を目安に抜糸します。傷跡が目立たなくなるまでには期間がかかります。
- 痛みや治療後の経過などには個人差がございます。施術前に担当医師より丁寧にご説明いたします。ご心配なことがございましたら、お気兼ねなくご質問ください。